映画

2014年6月26日 (木)

君は、オランダ映画を見たか

家内が、東京に買い物に行くので、付き合って欲しいと言う。
先だっての日曜日のことだ。                                                                                       
家内の買い物に付き合うほどイヤなものは無い。

女ってヤツはどうして最初に欲しいものをイメージしてから買い物に出かけないのだろうか。それが不思議だ。

気の向くまま、複数の店を行きつ戻りつして、一点を選ぶ作業は効率的でない。ただ、見てるだけ~であちこち歩き、結局、何時間も悩んだ挙げ句に「今日は何にも買わなかった」なんてこともよくある。

まあ、家内が浪費家でないだけ、僕は大変助かっているのだが、付き合って歩くのだけはお許しを願っている。

だいたい、女の買い物に付き合う男の姿って、格好悪いよね。

よくいるでしょ。

デパートの地下の片隅で、独りベンチに座っている、まるでボロ雑巾、使用済みみたいなおじさん。
奥方に買った紙袋をたくさん持たされ、生気の無い顔で不味そうにソフトクリム舐めている、奥方の買い物が終わるまでボーッと待っている。そういうおじさん、必ず見るよね。ああいう風にはなりたくないですね。

それに、僕らは栃木県に住んでいるので、家から都心までは電車で2時間弱かかる。結構疲れるのだ。

どうしても、一緒に行こうと言う家内は、今回は、知恵を絞った戦略にでた。
銀座でアナタの好きそうな映画をやっているから、私が買い物する間、映画を観てればいいじゃない、と言うのだ。

何でもテレビで紹介されていて面白そうだと言う。
思い返すと、銀座の小さな小屋で映画を観るのは「ニュー・シネマパラダイス」以来かも知れない。

まあ、それならよかろうということで、銀座に出かけることにした。

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あまり期待もせずに観たオランダ映画「人生はマラソンだ!」が意外によかった。
僕にとって、初めてのオランダ映画である。

メタボのおっさん4人組の物語。

他にも多くの登場人物が出てくるが、人物描写が丁寧で、それぞれの人に感情移入してしまう。

煙突ニョキニョキ、殺風景なロッテルダムの風景が、とても印象的。

上映時間は113分。そんなに長い時間オランダ語を聞かされるのも初めての体験。

日本人は江戸時代、この言語を通じて西洋文化を吸収していったんだなあと感慨にふけったりして。

オランダから僕がイメージするもの・・・風車、チューリップ、麻薬、安楽死法。

雲を突くような大男ばかりで、日本人を差別する国。イコール行きたくない国。

そんなイメージは、映画を見た後でも変わらなかったけれど、もしかして、オランダ人って、日本人より人間関係がウェットなんじゃないのか? 

人と人との繫がりの深さを感じさせてくれる作品に仕上がっていて、ホロリとした。

それから、もう一つ、パンフに書いてあった言葉

「マラソンのスタートラインに立った全てのランナーが勝者だ」

この言葉、いいなあ。

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2014年2月16日 (日)

小さいおうち

黒木華のあでやかな着物姿!ベルリン国際映画祭フォトギャラリー

【山田洋次監督(82)の新作「小さいおうち」に出演した女優黒木華(23)が女優賞「銀熊賞」を獲得した】 というニュースを昨日目にしたので、午前中映画館に家内と出かけた。

黒木華(はる)さんは、NHK朝ドラ「純と愛」に出ていた。

可愛いのに何でここまで怖いのっていう強烈な性格の脇役を演じていたので、彼女が主演というこの作品が前から気になってはいた。

隣町のイオンシネマ、朝9時台の初回上映に間に合うように家を出る。

ホットなニュースが舞い込んだ直後の日曜日だから、客の入りが多いかなと思っていたが、なんと、観客は僕と家内の2人きり。

昨日までの大雪が影響していいるのだろう。

さて、暗い貸し切りの空間で、男女2人が、どんなことをしたかというと・・・・・・

人の目を憚る必要もないので・・・・上映中にもかかわらず、思いっきり、洟をかんだ。

腕を上に挙げて大きく伸びをする。

「あれ、さっきのシーン分かった?」なんて話しをする。

大きな映画館がまるでホームシアター。

実に贅沢な時間でした。

映画の内容は、ネタバレになるから書かないが、ストーリーは坦々と静かに展開し、久石譲の音楽も綺麗。心に残る作品でした。

ラストでは、僕も家内も目にハンカチを当てていたよ。

「銀熊賞」もらったわけだけど、こんな静かで献身的な、かつての日本女性の美しさが、果たして外国人の評論家に本当に理解できたのであろうか?気になるところではある。

でも、万能細胞で話題になった小保方晴子さんといい、今回の黒木華さんといい、最近、割烹着姿の女性に憧れてしまいます。

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2013年6月28日 (金)

いまさらながら「東京物語」

http://www.youtube.com/watch?feature=player_detailpage&v=LjDWc-lQYnM

 

テレビで何回も放映されたが、まともに見てなかった、小津安二郎監督の名作「東京物語」をTSUTAYAで借りてきた。

 

退屈な映画という先入観を持っていたけれど、最後まで眠らずに観られた。

 

それは、僕が眠らずに観られる年齢になったということなのだろう。

 

昭和28年の作品。僕の生まれる前に作られている。

 

でも、テーマは今でも変わることのない、普遍的な親子の関係がテーマだ。

笠智衆、十朱久雄、東野英治郎の三人で酔いつぶれるシーンで、東野英治郎がこう話す。

「しかし子供いうもんは、おらにゃーおらんで寂しいし、おりゃーおるで、だんだん親を邪魔にしよる。二ついいことはないもんじゃ」

今まで、観て分からなかった映画も、親になり同じような境遇になれば分かるもんだ。

笠智衆、このとき49歳。

ウソだろ! 72歳の設定を完璧に演じている!

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2013年5月 4日 (土)

桜、ふたたびの加奈子

母を連れて、映画「桜・ふたたびの加奈子」を観に行った。

桜を含め、地元足利でほとんどのシーンを撮影している。

友人達がエキストラで出演していたことや、「あれ、ここどこだろう?」と背景に気を取られ、内容に集中できなくなる瞬間もあったけど、今年の映画賞を総ナメにするんじゃないか?

娘を亡くした広末が、虚ろと現実の間を彷徨いつつも、狂気の淵で自分を保つ。

そんな危うい母親役を迫真の演技で見せた。

間違いなく、彼女の代表作になる作品だと思う。

音楽も、カメラワークも、そして何といってもラストが凄い。

そんな映画が、故郷を舞台に創られたことを素直に喜んでいる。

太田で映画を見終わって、丁度お午。

食事は、やっぱり足利でしょ。
ポルカの「宇治しぐれ」は、足利を代表するデザートです。

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2013年4月 6日 (土)

いまさらながら「イージーライダー」

この作品、あ、キチンと見てないと気づき、昨夜TSUTAYAした。

眠くなって困る時間帯もあったけれど、しっかり見た。

公開当時、自由、トランザム、ハーレー、ヒッピーなどのキーワードから、多くの若者に支持をされ、ビッグヒットしたと聞いております。

しかし、僕が今、50歳代でこの作品に初めて向き合ってみると・・・例えば、LSDのサイケシーンに、ビートルズの「revolution No9」とこれは、どっちが先なの?とかいろいろ感じるところもありますが・・・

ストーリー展開が冗長。 アメリカン・ニュー・シネマの代表作であるということは認めるも・・????・・といった感じでした。

その頃のアメリカの病巣 → ベトナム戦争、ヒッピー、ドラッグ etc を映画で描いているというのが一般的な見方ですが、今の僕には、最後の銃殺シーンが最も不可解な印象として残りました。

どうして、髪が長いからという理由だけで、撲殺、銃殺されなければならないのか・・・

その頃のアメリカの人命に対する価値観は、中国共産党より酷かったのだろうか?

アメリカの銃を容認する社会がフロンティア時代からずっと変わってないという、この残念な事実にいい加減にアメリカは気づくべきだ!!!と、また、強く感じた次第であります。

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2013年1月18日 (金)

ステキな金縛り

高2の息子がTSUTAYAでDVDを借りてきた。

三谷幸喜のヒット作だという。

聞いたこともない「ステキな金縛り」という映画。

2011年10月29日封切りで、大ヒットしたというのだが、とんと記憶にない。

震災の年だったもんね・・・・

僕は元々、三谷幸喜は才能を鼻にかけているようで、ちょっと苦手。取り巻き俳優連中に崇められ、男・橋田壽賀子といったイメージ。

女房は「変人に見えるけれど、三谷は単に一人が好きなだけだよ」と擁護するが、朝日新聞の連載コラムも読む気がしない。

鳴り物入りのCMにつられ、映画館で観た「ザ・マジックアワー」を楽しめなかった経験もあり、まあ、事前の予備知識ゼロ、期待もゼロ状態で「ステキな金縛り」を観た。

いやいや、頗る面白かったよ。

142分もある作品だが、少しも飽きずに観られた。

端役にいたってもオールスターのオンパレード。

福島出身の西田敏行が、震災の年にこんなコミカルな演技をと思いきや、クランクアップが前年の2010年であると知り、納得。

それから、連続テレビ小説「あすか」の竹内結子がこんなに「いいオンナ」になっているとは知らなかった。ただ、佐藤浩市はいらないね。

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2012年5月 6日 (日)

わが母の記

GWの最終日だが、天気予報は大荒れ、アウトドアの楽しみを諦め、年老いた母と二人で映画に出掛けた。

母が「お願いだから、連れて行ってよ」とせがんだのは「わが母の記」であった。

面倒くさいという私に、母は納戸から一冊の煤けた本を持ちだしてきた。

見ると、井上靖の「わが母の記」。なんと、昭和50年の初版本であった。装丁も立派。

「途中までしか読んでないの」・・そうであろう。井上文学と我が母の感性とは些か距離がありすぎる。しかし、映画の原作を母が持っているというのには驚かされた。

テレビでプロモーションビデオでも見たのか、この新作映画が彼女の深いところに強くインプットされてしまったようだ。どうしても連れて行けと言う。

実は、天気に恵まれなかった今回の連休、3日前に家族で隣町のシネコンへ出掛けたばかり。

そのときも、「わが母の記」は候補に上がったが、妻と子供が「テルマエ・ロマエ」を見たいと言い張るので、家族みんなでそれを見た。

しかし、「テルマエ・ロマエ」は、妻と子供には面白かったようだが、私には駄作としか映らなかった。くだらない時間を費やしてしまった。

母も楽しめなかったようだ。

邪険にしたまま、この先母に死なれたら、夢見が悪いので仕方がない。まあ、口直しの意味も含めて、今日再びリベンジに出掛けることにするか。

「わが母の記」は、たいそう味わいのある映画であった。

認知症の母親が巻き起こすエピソードを坦々と描き、大きなストーリー展開はないのだが、樹木希林と宮崎あおいの好演技が印象に残る。義歯を外して年寄り顔貌を作った、女優・樹木の役者根性に拍手。泥酔する宮崎の演技も可愛かった。

また、昭和のよき時代の伊豆、軽井沢、川奈ホテル等の建物や風景の映像が美しく、見応えがあった。

見終わった後、「私も徘徊老人になるのだろうか」と母は怖ろしそうであったが、足の悪い母だから遠くに行く心配はない。

すっかり円背で、右手に杖を突き、前をゆく私のベルトを左手でつかんで歩く母。一歩一歩にとても時間がかかる。オンブをした方がずっと速いが、この映画で主役の役所広司が樹木を背負うシーンが有名なだけに、さすがに映画館周辺でオンブはできなかったね。

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2012年1月31日 (火)

虹の女神

一昨日、「太陽の女神」の記事を書いたので、今日は「虹の女神」(2006年公開)。

3つの理由から忘れがたい名作。

ひとつめ。

それは、僕の住んでいる足利市がロケに使われたこと。

全てのシーンが足利ではないけれど、主人公が働いていたレコード店(今はない)や劇中劇の8mm映画の公園、ラストシーンの土手・・・・

ア、ここ知ってるっていう場所がいろいろ登場するので、足利市民としては誇らしくなる映画です。

ふたつめは、言うまでもなく映画の内容。

兎にも角にも、主人公の上野樹里の演技が素晴らしく、市原隼人、蒼井優、相田翔子、佐々木蔵之介、小日向文世・・・そうそうたるメンバーの演技も印象的。

心に沁みる、もの悲しく、切ないストーリー。まだ見てない方はお試しあれ。「のだめ」や「江」と違った上野樹里に出逢えます。

みっつめ。

映画で象徴的なモチーフとして取り上げられた、水平に走る虹。

映画ではCGだったけど、実は僕、見たんです。本物を!!

’09年の7月に息子と行った白馬岳付近で。

実に幻想的でした。水平の虹は正式には「環水平アーク」というそうです。

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2011年12月 6日 (火)

マネーボール

マネーボール

月曜は男性1000円という隣町のシネコン。20時台の最終上映に行って来た。

79名定員の小振りな空間に、なんと、お客はぼく一人きり。

寒い日で「暖房がもったいなあ」と思いながらも、贅沢な時間をすごした。

野球映画であるから、MLBに興味のない人には、つまらないだろうな。

傑作とはいえないまでも、ぼくは面白く鑑賞出来た。

今年は、イチローの連続200本安打が、残念ながら途切れてしまったし、震災の年でもあったので、メジャーリーグにあまり注目しない一年であった。

ところが、巨人軍のホントにみっともないGM の涙の記者会見を見て、この作品にとても興味をもった。

そして、MLBのGMと日本のGMとが全く違うことを教わった。

本作の主人公、アスレチックスのGM ビーン氏は、まさに現役で、来シーズン、松井選手の再度獲得には動かないとの報道を見たけれど、松井はどこに行くのだろうか。

それにしても、ブラピはますますロバート・レッドフォードに似てきたよね。

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2011年10月31日 (月)

ミツバチのささやき

昨日、日経新聞の文化欄に、スペインの映画監督ビクトル・エリセに関する随筆が載っていた。

先月、エリセ監督は、河瀬直美監督の呼びかけで、震災をテーマで3分11秒の作品を作り、来日して話題になった。

そんなこんなで、久しぶりに、「ミツバチのささやき」が見たくなって、ホコリをかぶったLDを引っ張り出して、じっくり鑑賞した。ドンヨリ寒々とした日曜日だったしね。

この映画、映画館でも観ているけれど、不思議な浮遊感に浸れるようなところが、とてもいい。7拍子のテーマ曲がこの雰囲気を増幅しています。

スペイン北部の広大な牧草地帯、丘陵にのびる坂道を下る自転車、真っ直ぐに続く線路と蒸気機関車、たき火を飛び越えて遊ぶ少女、フランケンシュタイン・・・・・・時が永遠にそこにとどまっているような詩的な映像美。

現実と虚実の区別もつかず、時間の概念も持たないまま過ごした子どもの頃の懐かしい感覚を想い出させてくれます。

DVDは廃盤で、現在、新品は Box ものでしか手に入らないようです。

時間があって、心が静やかなときでないと、この映画の「効き目」は得られないかも。

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