「独立器官」なんじゃこれ
文藝春秋が去年の12月号から連続して掲載している村上春樹の短編小説の第4弾。
第3弾の「木野」が良いできだったので、今回も期待して、また雑誌を買ってしまった。
でも、なんだかなあ・・・・・
今回の「独立器官」って小説、本当に村上春樹が書いたの????
処女作を読んで以来彼のファンであり続けているのに、なんかガッカリ。
天下の文藝春秋だから、まさか偽物ってワケはないのでしょうが、「村上ワールドを誰かが真似ようとしたらこんな感じになるかも」という作品。
メインの二人の登場人物が魅力的に描かれていない。俗人過ぎる。
悪霊とか精霊の幻に苛まれて死ぬという展開ならハルキらしいけれど、拒食症で死ぬ恋煩いなんて芸がないよね。
村上ワールド的なのは、ゲイの秘書(描写に奥行きがないが)と独立器官という言葉くらいかなあ。
阪神・淡路大震災や地下鉄サリン事件以降、下界に降りてきてしまった村上春樹はオーラが薄くなったような。
まあ、次回を期待しましょう。
一方、芥川受賞作の「穴」はイイナ。不思議な世界にいざなってもらえた。
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コメント
毎月1本、無理矢理に書いているのかも。
それともネタがなくて編集者頼みなのかも。
「珠玉の一編」が読みたいですよね。
投稿: ナツ | 2014年3月10日 (月) 09時53分
同感です。
でも、「穴」はヨカッタ。
よその土地の人が僕の暮らしを見たら同じような異世界を感じるのだろうかと思った。
事件が起きるかもしてないという緊迫感、現実と幻想の間をたゆたうような浮遊感、なんだかとっても楽しめたよ。
投稿: はーびー | 2014年3月10日 (月) 18時28分
うん、『穴』はおもしろかったです。同感です!
投稿: ナツ | 2014年3月11日 (火) 22時24分
と思ったら4月号には載ってませんでした。。。
投稿: ナツ | 2014年3月13日 (木) 22時29分
そうなんですね。
変に安心したりして・・・
もう、買わなくて済むんだとも思ったり・・・
ファンとしては複雑な心境です。
投稿: はーびー | 2014年3月13日 (木) 23時14分