エロ本×2
都内の本屋で平積みに・・・・・
「エロ本」という大きな文字に反応。横目でチェックし、ひとまず通り過ぎ、二三歩進んでから踵を返す。万引きするわけでもないのに人の視線を気にしながら、手に取ってみる。
ホイチョイ・プロダクションズ作品というのも、郷愁をさそった。
表紙の「やれる店」「sex」「エロ本」の羅列は、真っ赤な嘘。ただの蘊蓄満載の東京グルメガイドである。
昔は、グルメ本たくさんあったのに、ネットに押されて少なくなったような気もする。
まず商品を、手に取らせるところまで行けば半分成功なのだろう。ぱらぱら見たが、この本、写真を一枚も使わず、イラストだけというのも面白い。
公正取引委員会に訴えてやる、と思いつつも購入。
「この官能文庫がすごい!」にやられた。
僕らの世代にとって、官能小説といえば、御三家、宇能鴻一郎、川上宗薫、富島建夫、諸先生には独身時代ずいぶんとお世話になったものである。
最近は、手にすることもないが、今でも、本屋で双葉文庫、祥伝社文庫、竹書房ラブロマン文庫等の陳列棚の前に来ると、なぜか足早に通り過ぎてしまう僕です。
「李下に冠を正さず」というか、地元の本屋では、全く関心のない素振りをするものの、都内の本屋となると勝手が違う。
匿名社会で変貌するわけで、買ってしまった。
レジが女性の店員さんのときには、裏返して渡したりしてしまうのですが・・・買ってしまった。
そして、読んでしまった。
すごかった。
何が凄いって、とてつもなく、哀しくて、切ない内容。最後には嗚咽しそうになる。
こんなにジーンと心に浸みる官能小説は初めてだった。
草凪優。初めて読んだが、40代の作家ながら、なかなかの腕の持ち主だと思う。
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