花より葉っぱ
パステルカラーに彩られ、里山が一斉に笑い出した。春は一年で一番美しい季節。
鑁阿寺(ばんなじ)の大銀杏は、樹齢約550年とのこと。今年も芽を吹いてくれた。
若葉の芽吹きからは、桜の花以上に命の歓びを感じる。
花を咲かせることは、植物にとって、最終の仕事で、萌芽や芽吹きは、新しい命の始まりを意味すると思うから。
冬の長い眠りから目覚め、堅い蕾をポーンと弾く。
赤子の掌のような葉が、兄弟達と競いあい一気に伸びを始める。
溢れんばかりの生命力だ。
人間が出現する遙か前、何億年もの昔、地球上に生まれた裸子植物。その仲間の銀杏。
無論、銀杏は「プレートテクニクス」なんて知らないはずだが、そのDNAに、「パンゲア大陸」の記憶を留めているのかなあ。
彼等は、電気なんかなくても、何億年も命をつなぎ、今を生きている。
文明社会にとって、電気のない生活は考えられないが、余りにも電気に依存しすぎじゃなかろうか。
豊かさという幻想を求め、環境破壊をやめられないホモサピエンス。
地球温暖化、放射能汚染、銀杏の若葉は、迷惑そうな顔をしていた。
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